ツールド沖縄はフンガー!

おまたせおまたせ。
与那の上り口では大見さんが応援してくれた。道中に佇む村人の応援、知人の応援は、自分のような屁タレにも染込んだ。同時に申し訳無さで一杯。前日の試走では、序盤の勾配を物ともしない軽快さにホクソエンダなぁ。それがこのザマザマス。無理も無い、ここまで男気放出しまくってきた足には、ひどい仕打ちや。すまん右足、左足。普久川ダムの補給地点が一番苦しい。あとで地図をみたら、現場周辺はなんと恐ろしい地名やった。その名も「フンガー湖」。苦しさを的確に表現し過ぎて余りある。そういえば、回りの選手諸君も苦痛に顔をゆがめながら「フンガー!フンガー!」いいながら登ってたな。自分も勿論「フンガー!」を連発しながら行った。今後の自転車人生において、辛いこと、苦しいこと、悲しいことがあったなら、「フンガー!」と鼻から声を出して、この日のように乗り切りたい。
自分の中で、実は「奥」の次ぎに重点を置いてたのが、この先に待ち構える「安波」のアップ・ダウン。果てしなく続く登り下りの連続が、選手の気力をバカスカ奪うのよ。こんなシチュエーション、大阪近辺ではまず見当たらんな。ハンガーノックもいよいよ深刻さを増す。豪雨か涙かわからんけど、顔もぐちゃぐちゃ。フト見上げたら道路標識があった。「名護58km」。酷い、、、。せめてTD沖縄当日は、一切の道路標識を外してくれ、たのむ沖縄県警。並走する選手が「遠いなぁ、名護」とポツリ。そうや、名護は”近くて遠いところ”や。腹も減った、足も痛い、下りは雨で怖い、今頃知人の多くは名護市内でゴールしてるかもしれん。悲しいことばかりが頭を巡りだす。その瞬間、目の醒めるような緑色が横をカスメタ。名前を呼ぶとすぐさま「アニキ!行こうぜ!」と、自分の残り少ない男気を充電してくれた。そやな!漕ぐしかあるまい!KONAアニキのチームメイト(かがみ様)さんと共に列車を作った数分後、高江でレースが終わった。

客観的に見れば「あっけない幕切れ」であることは否めないけどな。でも一緒に切れたKONAアニキの言葉がココロに響いた。「順位的には完走できたのになぁ。くやしいなぁ。でも楽しかったなぁ!」。そうや「十分楽しかった」。脚きり場のボランティアのおばはんは、切られた選手のために、懸命にお茶をふるまってくれてる。バナナを接待してくれてる。これ以上の幸福がどこにあるっちゅうねん!やせ我慢ちゃうぞ、「ここで切られて本望じゃい!」。