ツールド沖縄は腹が減る

奥頂上、残り約100mほどを残してjaja51さんがいた集団から切れた。おまけに雨も降り出す始末。ご存知だと思うけど、頂上手前で切れる恐ろしさは格別やね。逃した集団は、下り初めて速度が一気に上がっているのに、自分はまだ重力に逆らってる最中やし。切れたツケを払うには、辺戸から与那までの国道58号線を飛ばすしか手が無い。自分と同じ境遇の人間を拾ったり、拾われたり、捨てたり、捨てられたり、まさにロードレースは人生の縮図か。右手に見える東シナ海は、鉛色。ここは青森・津軽海峡か?そして止まらない豪雨。もう「夏のお嬢さん」なんかイントロも思い浮かばんぞ。頭の中は石川さゆりのヒットメドレーで覆い尽くされてしまった。演歌の国に生まれた運命を呪うぜ。もう男気全開で前を追ったわ。いっしょにローテーションしてくれる選手諸君の男気も熱かった。懸命に前を追っている時は麻痺して判らんかったけど、なんとなく胃袋の辺りがスカスカする。あれ!?ワシ腹減ってるんちゃうか?すぐに背中のポケットを探ったが、なんちゅうこっちゃ!チョコケーキが「溶けて、無い」。自分の発した男気があまりに熱かったせいで溶けたのか、豪雨が凄かったのか、ともかくケーキが無くなってた。すぐに別のポケットからフラスコに移し変えたカーボショッツを口にしたが、カーボショッツの粘度が予想以上に高くて、2,3滴しか出てこんがな!豪雨で霞む中、前方に大きな集団を見据えたまま、与那の登りが来た。やっばぁ〜、手先が痺れてきたぞ。完璧なハンガーノックのシナリオ爆進中や。もう、カーボショッツのフラスコを、自身の吸引力最大で吸い込んだ。その間呼吸は鼻の穴のみ!どうなる、わし!? つづく