ツールド沖縄ってオモロイか?

(下書きはおうちで、UPは会社で。長文なんで一応身の潔白
 ゆうときます。)

実は自分の参戦記を書くのはあまり好きじゃないの。大抵一言
ですむから。「スタートしてがんばったけど、集団から切れて
失格になりました。おしまい。」ほらな。
でも、今年の自転車関連の総括として、生まれて初めて行った
沖縄は、文字にしてココロに留めておきたいわ。なんせ莫大な
費用(自分比)かかったからな。”費用対効果”ってやつ。
費用の割りに効果がウスウスだったので、悔しいわけです。

「120kmのクラスで失格になったわ。」

土曜の朝・大阪伊丹空港発。チームメイト含んで4人のツアー。
座席の周りも雰囲気的にレース参加者がうじゃうじゃ座ってた。
空の上を飛んでる間中、しょんべん行く以外延々自転車の話が
後ろの座席から聞こえてきた。ギアの話、タイヤの話。他に話題
ないんかい!? 同じ自転車愛好家としていたたまれんかったな。
公共の場では、なるべく自転車の話はせんとこ思いましたわ。
アホと思われるがな。(もともとアホやのに、アホに磨きかかるな。)

那覇からレンタカーで名護。受付場所いったら、日本中から集まった
レーパン野朗が早くもウジャウジャおる。パールイズミの社長おったら
笑いが止まらんやろな。そんな光景。とっととオクマリゾートに
チェックインして試走とかしたかったのに、同行の”自称沖縄常連
トライアスロン親父”がソーキ蕎麦に案内したるゆうて聞かへん!
「ほんまもんのソーキ蕎麦を食わしたる!」と出たけど、「食わしたる」
の正確な意味は「奢ったる」とちごて「店、案内してあげます」やろ。
日本語おかしいやん、、、。

食ったら案の定、舌にあいませんでした。元々大阪市内には沖縄人街が
あって、食いたかったいつでも食える環境にある。以前食って合わんと
おもたから今回も気がすすまなかったけど、そら見たことか、、、やな。

それで、豚足食いながら隣の6人テーブル見たら、全員「ポラール
S720i」してるやん。6人全員お揃い。店員の姉ちゃん不思議そう
に見とったわ。早くもトランスミッター作動させてるヤツもおった。
何計っとんねん??? 蕎麦で心拍上げるなよアホ。

時間無いから試走も無し。車で普久川ダム手前まで行っただけ。
行って損したわ。坂のシンドサが頭に刷り込まれたダケ。

オクマリゾートに戻って自転車の組立て。隣でトレックOCLV組立て
てた兄ちゃん、突然ドエライ音でタイヤを破裂させよった。
せっまい体育館の中でバーストさせたら、そらも凄い!明日レースに
出るのが嫌になって、自爆テロでもやりよったか!?位凄かった。

もっと凄いのは、その兄ちゃん、パンク修理未経験。もっともっと
凄いのは、その兄ちゃん、代えチューブはおろか簡易工具の一つも
持ってへん。もっともっともっと凄いのは、明日自分らと同じ
「市民120km」。もっともっともっともっと、、、これ以上は
凄すぎるので省略。
市民120kmを舐めとるな。自分もそこそこ舐めてたけど、もっと
ペロペロに舐めとるな、こいつ。「市民120kg」と間違えて
エントリーしたんかな?しゃあないから、うちのメンバー総出で
修理したげた。ええことした気分。お礼はいいから、明日のレースは
早々に千切れて楽になりなさい。集団の中でしょんべんでもチビられ
たら迷惑です。

当日は内房Rの友人にいろいろアドバイス受けながらのバス移動。
スタート地点でもいろいろ教えてくれました。大変助かりましたわ。
スタート待ってたら、元シマノRの国末さんを見つけた。ボサボサ
頭にふっるいクロモリの自転車。不釣合いな10S変速。でも足は
相変わらず凄いわ。

アップにならんアップしてスタートしたけど、いきなりでシンドイし、
下り怖いしでもうわちゃくちゃやね。少人数でエイホエイホと走って
たら下りでも回すけど、「序盤、大人数、ライン危ないヤツ多数、
コース全然わかん」という四十苦の中、しかも下りで踏み倒したのは
生まれて初めて。

結果から言うと「奥」まで持ちませんでした。そもそもどこが「奥」か
分からんかったわ。そこへ行くまでに切れてしまったし、集団見えてた
けど、全然追いつかんかったし。「ここが奥の頂上です」と隣を走って
たやつがガイドしてくれた。ちらっと見たらそいつ、足の毛もちゃんと
剃ってたしエエ色してた。自転車も高そう。ジャージもホビーレース
で時々見かける強豪。こんなとこで切れて、こいつもおもろないやろ
なぁと、はぁはぁしながら思いました。

ともかく走らな話にならんので、海岸線に出たところでたまたま一緒に
なった8人で回す。一人物見山ジャージの人が元気そう。
ペースを乱すやつもおらんし、極端に下手なやつもいなかったな。
自分はどうなんやろ?ちゃんと迷惑にならんようにしてるかな?
80kmのスタート地点通過。かなりシンドイ。だんだんローテーション
入れなくなってきた。皆に謝りまくって付きイチにしてもらった。

とうとう二回目の普久川登りか。登り初めてボヨ〜ンと列が伸びた。
思ったとおり物見山の人が一人でずんずん行ったがな。ココロの中で
「あの人に付いていけたら、完走できるんかなぁ。俺、アカンやん。」
とうなだれるわ。

ダムで補給。事前に小谷君@リマサンズから「はよ辿りつかんと、
汚いボトルになる」と聞いてたので、新しいボトルを持ってる人を探し
てみたわ。すると手前の兄ちゃんが目の前で補給してくれた。
あろうことか「汚いにもホドがある」ボトル。「汚いボトルやけど、
嬉しいわ。ありがとう。」ちゃんと礼はゆうたよ。嫌味じゃなく本心で。
それを口にくわえて、直ぐ次の新品ボトルも取った。

高江から平良にかけても、だいだいさっきの8人と行ったり来たりの
繰り返し。物見山の人の姿は無し。200km集団にも抜かれ、千切れ
にも抜かれ、だんだんどうでもよくなってきた。熱い、ともかく熱い。
10年以上使った、ツルが折れかけのオークリーを沿道の畑に捨てた。
一昨年の乗鞍のブースで買った手袋を脱いで、これも捨てた。
もったいないけど、背中に入れる余力無し。どうせポケットの中、
なんとかゼリーの食いさしでベトベトやしな。

高江CPを通過するとき「先頭と23分差」という看板を見た。
なんの事が一瞬わからんかったわ。けど、23分も先に先頭集団がおるって
ことは、自分の屁たれ具合がハッキリとわかったわ。このまま走って完走
できるんかな?どこで下ろされるんやろ?下ろされるんやったら、
もう辞めて、ここで待っとってもええんかな? すでに「奥」でゲーム
に参加してないねんから、走り続けても「ロードレースに出た」って
誰にも言われへんな。自分に腹立つな。又の下の自転車も怒ってるやろな、
屁たれなエンジンに、、、。

両足のふともも前面が同時に攣った。ペダル外されへんから木に掴まって
止まると、沿道のおっさんが心配して近寄ってきよったわ。「大丈夫か?」
「だいじょばん」。「大丈夫ちゃう」と言いたかったのに、シンドすぎて
「だいじょばん」なんて口から出たセリフ。自分で言った言葉が可笑しくて
痙攣が痛いのに笑ったら、おっさんも一緒に笑った。おっさん笑った口元
、前歯があれへん。沖縄の屋根瓦の犬(?)みたいな顔のおっさん。
おっさん、男前やで! (そこそこやけどな。)

源河に向かって登っていく。前後にもまばらに選手がいるだけ。
沿道にナルシマのジャージ着た選手の家族(?)なんかが激を飛ばしている。
「いけるいける!」「頂上すぐそこ!」「諦めるな!」
このときばかりは大迷惑やった。なんぼ言われてもアカンもんはアカン。
大体にして「すぐそこ」という言葉でほんまに「すぐそこ」やった
経験は一度も無い。「いけるいける」って、どこへ行けるねん!
打ちひしがれた心身に、こういう応援はきっついわ。
「ご苦労さん」とか「お疲れさん」でええんちゃうの? この時間にここを
通過する選手には、おそらく闘志の火種なんか残ってないよ。

頂上手前で後ろから、何か選挙カーみたいな音がするがな。
前後の選手にマジで「なんか選挙の車来た!」ってゆうてしもたよ。
よく見たら”ミニパト”。アナウンスは次の通り。

「これをもちまして、公道閉鎖を解除します。ご協力ありがとうございました。」

噂に聞いてた「源河の関門」ってミニパトのことか!? 源河の関門って動くんか?
動く関門が追いかけてくるんか????

動く「源河の関門」に追われて坂を下ると、海沿いに出た。そこにはほんまもん
の「源河の関門」が口を開けて待ってたわ、、、。

閉会式場で合流した、80kmコース完走のチームメイトが眩しかったな。
売店タコライスを買いに行った。小学校高学年くらいの女の子二人が店番。
千円札出してお釣り待ってたけど、なかなかくれへんがな。どうも二人で
お釣りの計算揉めてる。でもええよ、許したる。算数苦手でも美人やし、歯白いし、
日焼けがよう似合ってるしな。

ここから仲間4人で、オクマリゾートまで自走で戻った。疲れていたので30km
の海沿いの道に自信が無かったけど、走りたかった。レース中、あまり景色を
楽しむ余裕無かったしな。少しだけ追い風だったので助かりました。
25km/h前後で、ほんとうに淡々と帰った。危ないと叱られそうだけど、
走りながらずっと海ばかり見ていた。不思議と潮の匂いがしない。体がベタベタ
しない。沖縄まで何しにきたんやったかな? そや、自転車で走りにきたんや。
レース?はなから完走無理やと思っとったわ。
満足?してないよ。全然な。でも、もうええわそんなこと。今、海みながら仲間
とぼんやり走ってるやん。
物騒な事件ばっかりあった今年やけど、殺されもせんと、危ない目にも合わんと、
今も走れてるやん。

ホテルの直前に、季節外れの花畑があった。コスモスとひまわりの混在する、不思議
な光景。仲間に声を掛けて畑に入り、記念写真を撮った。
実は夜に一人っきりで、もう一度畑を訪れた。大阪から背負っていったウクレレ持って。
酔っ払ってコスモスの横に座って、ウクレレ弾いた。

来年も「行ったっても」エエな、オキナワ。
それまでにもうちょっとウクレレ練習しよ。あまった時間で自転車の練習。
それでええねん。