ピストが普及しにくい訳

関西サイクルスポーツセンターで開催予定の「ナイターピスト」が中止になったらしい。参加者希望者が少ないという理由で。ピストの楽しさは、”走ってみれば判る”。ロードレーサーでバンクを走るダケでも楽しさ溢れるけれど、固定ギアのついた専用の自転車を使えば、間違いなく「笑いが止まらん」のよ。
全国に点在する競輪場には、たいてい「愛好会」があるんで、この門戸を叩くといい。丁寧にマナーやルールのいろはを教えてくれるし、自転車や道具も貸してくれる。でもできれば継続して楽しむようにな。”ピンポンダッシュではいさいなら”は失礼やぞ。
アマ車連に登録している選手が居るようなクラブチームだと、大抵一人はピストにメロメロな人が居ると思う。うちもそう。こういう人のあだ名は決まって「師匠」。プロの皆さんも「師匠」「弟子」という徒弟制度を大事にしている流れであろうか。

で、本題。自分の経験なんで、どこのバンクにでも当てはまるかどうかはわからんけど。
まず、家の玄関でた瞬間から、気軽にスタートできん地理的な環境の問題。バンクの隣に住んでるヤツっておるんかな?自分は大阪市内に住んでるけど、ここからセンター(関西サイクルスポーツセンターの事)まで行くのに、ピストで自走する根性無いんで、輪行か車になる。自転車の練習行くのに、往復2時間強も移動に時間を割くのは勿体無い気がした。(昔、クラブアングルの選手で、尼崎からピストを背中に担いで、ロードレーサで自走しながらセンターに行ってた選手を一人だけ知ってるけど。レーサーというより雑技団員に近い。)

誰でも最初は初心者の筈やと思って周回するんやけど、皆「ド偉い速い」人ばっかり練習してる(気がした)。ハロンの練習してる学連(大学生)や高体連(高校生)の連中とか、プロを目指してる「プロ玉」。足なんか、どっかのホームセンターで買ってきたんちゃうか?というような凄い足してるし。気後れしまくった。

センターには自転車ロッカーもある。ここに預けておくと、身一つでいって練習できるから便利やと思ったけど。たまにいくと、誰かが勝手に自分のマシンを使って、しかもパンクまでさしとる光景で、いっぺんに嫌になった。

試合は凄いぞ。自意識過剰や言われるけど、自分のタイム(千トラ1分18秒)でたった一人、タイムトライアル種目とか出てると、恥ずかしくて隠れたくなる。個人追い抜きも、序盤で相手に抜かれたり、、、。精進が足りんと言えばそうなんやけど、”ノービス”とか”ビギナー”とかの区分けが無かった。全員”エキスパート”。アップの光景も、皆ヘッドフォンステレオ聴きながら、難しい顔して三本ローラーを懸命に回してる。オイルを塗って足をビカビカに光らしてたり。

最近はブレーキ付きのロードレサーでも参加できますと、気軽さを前面に出したイベントもあるけど、あの狭い「お鉢」の中を皆でぐるぐるするわけだから、立体的な動きのルールや制約も、慣れないとな。

2台あったピストを手放して久しいけど、もうバンクに戻る事は無いかな。やはり「寝転んでもええし、落車してもわろてられるし、遅くても楽しい」シクロクロスが好っきやわ(ロードレース以外やったら)。