オーダーフレーム

オーダーフレームのいいところはズバリ「他人に自慢できること」。近所のおっちゃんでもいてるやろ?「わし、4番アイアン、オーダーしましてん。ぐえっへっへっ!」ってな感じで。ステムやピラーのバリエーションが少ない時代は、既製品フレームが合わないと、調整幅が狭くて困ったので、フルオーダーにスガルしか無かったのよ。ショップと工房が同居してる建屋はええわな。たいてい工房だけの佇まいで、これが探すのに一苦労するぞ。ほとんど普通の家や倉庫と見間違えて、通り過ぎてしまうわ。ビルダーのオッサン(兄ちゃん)は接客が下手な人多い。それが自転車の事になると、喋り出したら止まらんのも特徴やね。最後には”、、、しっかしまぁ、不景気やなぁ”で締めくくられる今日ではあるけどな。

ここで秘密を教えとく。オーダーフレームって、納期凄いかかるよね。とあるビルダー本人曰く「ほんまはな、がんばったら3日で出来る。まぁ、塗装は別やで」。じゃあ何で”ひとつきもふたつきも”掛かるんや?直撃インタビューを慣行したよ「そらぁ、二日酔いで仕事にならへん日もある。見たいTVもある。練習にも行かなアカンし、昼のキャバクラは安い。だいいち、一日中ヤスリがけしとったら、頭変になる」。もっともな話やね。さらに最近では「あの有名な塗装屋のおっさん、長いことフレーム塗り過ぎて、今入院しとんねん。だから納期ベタ遅れや」とも。

真昼間からキャバクラには行かなアカンわ、塗りすぎて頭変になるわ、怖い業界やね。

あるとき、頼んでたフレームがあんまし遅いから、直接工房に追い込み掛けに行ったことがある。ほんだら、あろうことか、サイスポ読みながら蜜柑食うとるがな!「○○さん、はよしてぇなぁ! 俺の試合来週やで!」今日という今日は、後ろ三角作るまで帰れへんつもりであることを告げると、おっさん言いよった。「鶴でもハタ織る時、見ないでください言うやろ。見てたら仕事でけへん。キッチリやっとく!」

次の日いったら、この鶴、蜜柑食いながらバイクラ読んどった。ゆうた訳が次の通り。

「俺が悪いんやない。サイスポとバイクラの発売日が同じっちゅうんが、一番悪い!」